広告に出す商品を選ぶとき、つい「売れていない商品をテコ入れしよう」と考えがちです。でも私はむしろ逆で、まず「すでに売れている商品」を広告強化の候補にします。
直感に反するかもしれませんが、広告は“魔法”ではなく“増幅装置”だと考えると、これは理にかなっています。今回はその理由と、広告に出す商品の選び方を整理します。
なぜ「勝ち筋」に広告を寄せるのか
自然検索で売れている、あるいはCVR(転換率)が高い商品は、商品力・ページ・価格が市場に認められている証拠です。そこに広告で露出を足せば、確度の高い売上が積み増せます。
さらに楽天では、売上(販売実績)が検索順位に影響すると言われています(順位ロジックは公式に公開されていないため、各社の解説と経験則にもとづく見方です)。だとすれば、広告で売上を作ることで自然検索の順位も上がり、広告と自然流入が相乗的に伸びることが期待できます。勝ち筋に寄せるほど、この好循環が起きやすくなります。
ここがポイント
広告は「ゼロを生み出す」装置ではなく「あるものを増幅する」装置。証明済みの商品に足すほど効率が上がります。
「売れない商品を広告で」が危ういわけ
多くの店舗は逆をやりがちです。売れない商品を広告で何とかしようとする。けれど、売れない原因(ページ・価格・需要など)が解決していないまま広告でアクセスだけ足しても、CVRは低いまま、広告費だけが出ていきます。
増幅装置は、元がゼロに近ければ、何倍してもゼロに近いまま。テコ入れが必要な商品は、広告の前に原因の特定(集客か転換か)を済ませるのが先です(この切り分けは別記事で詳しく触れています)。
広告に出す商品の選び方
1
自然検索で売れている/CVRが高い商品を洗い出す
とくに「まだ広告を出していないのに売れている」商品は、最優先の候補です。
2
在庫が十分かを確認する
売れ筋を広告で伸ばして欠品させるのは最悪手。露出を増やす前に在庫を見ます。
3
その商品から広告を強化し、勝ち筋に予算を寄せる
RPPは初期設定で全商品が配信対象になるため、伸ばしたい商品に予算が向くよう、除外や入札の設計をします。
ありがちな失敗
注意
- 売れない商品の延命に、広告費を使い続ける
- 全商品に薄く広告を出す(RPPは全商品対象なので、除外・優先の設計が要る)
- 勝ち筋商品を、在庫が薄いまま広告で強化して欠品させる
まとめ:広告は「証明済みの商品」を伸ばす道具
広告に出すべきは、売れない商品ではなく、すでに売れている商品。商品力が証明されたものに露出を足すほど、効率は上がり、楽天では自然順位との相乗効果も期待できます。「広告で何とかする」前に、「広告で伸ばす価値があるか」を見る——この順番を意識したいところです。
補足:使っている道具について
私たちは、「自然検索で売れているのに、まだ広告を出していない商品」を自動で見つけて、広告強化の候補として知らせる仕組み(RakuLens)を作っています。勝ち筋に予算を寄せる判断を、軽くするための道具として整えているところです。

