「売れないので、広告を増やしたいんです」。よくいただく相談ですが、私はまず「それは集客の問題ですか、それとも転換の問題ですか」と確認します。
原因を切り分けないまま広告を足すと、転換に問題がある場合は“穴の空いたバケツに水を足す”ことになりかねません。今回は、広告の前にやるべき切り分けの話です。
「売れない」には2種類ある
ざっくり分けると、売れない原因は次のどちらかに大別できます。
- 集客不足:そもそもアクセス(人)が来ていない
- 転換不足:アクセスはあるのに買われない(=CVRが低い)
楽天のCVR(転換率)は「売上件数 ÷ アクセス人数」で見られます。アクセス数とCVRを並べて見るだけで、集客と転換のどちらが詰まっているかは、かなり見えてきます。
ここがポイント
「売れない」を一つの問題として扱わない。アクセス(量)とCVR(質)に分けると、打ち手が見えます。
切り分けの判断
大まかには、こう読みます。
- アクセスが少なく、CVRは並 → 集客の問題。広告・楽天SEO・露出を増やす方向。
- アクセスはあるのに、CVRが低い → 転換の問題。ページ・価格・在庫・レビューを点検する方向。
クリックは来ているのに売れない、というのは広告のせいではなく、着地した先(商品ページや価格)の問題であることが少なくありません。ここを取り違えると危険です。転換に問題があるのに広告を増やすと、来訪は増えるのに買われず、広告費だけが膨らみます。
切り分けてから動く
1
アクセスとCVRを見て、集客/転換どちらの問題か判定する
全体ではなく、できれば商品単位で。商品ごとに事情は違います。
2
転換問題なら、広告の前にページ・価格・在庫・レビューを点検
このとき「在庫切れによるCVR低下」を先に除外するのが肝心。欠品が原因なら、直すのはページではなく在庫です。
3
転換が整ってから、集客(広告)を足す
買われる状態をつくってから露出を増やすと、広告費が成果につながりやすくなります。
「来ている人を逃さない」を先に整えるほうが、新規集客より早くて安く効くことが多い、というのが実感です。
ありがちな失敗
注意
- 「売れない=とりあえず広告を増やす」と直結させる
- 店舗全体の数字だけで判断する(商品ごとに集客/転換の状況は違う)
- 在庫切れによるCVR低下を「ページが悪い」と誤診する
まとめ:集客と転換は別問題
「売れない」をひとまとめにせず、アクセス(集客)とCVR(転換)に切り分ける。広告が効くのは「転換が整った商品」で、順番を間違えると費用が無駄になります。広告を増やす前に、まず原因の所在を確かめる——これだけで打ち手の精度が上がります。
補足:使っている道具について
私たちは、商品ごとに「集客と転換のどちらに問題があるか」を、在庫の要因も踏まえて切り分ける手助けをする仕組み(RakuLens)を作っています。広告を足す前に、原因の所在を素早く見つけるための道具として整えているところです。

