いろいろなECを見ていると、「自社サイトなら普通にできる施策」を楽天でもやろうとして、つまずく場面によく出会います。楽天の商品ページは、できることがかなり限定されています。
だから私は、施策のアイデアを練る前に、まず「これは楽天で、物理的に・規約的に可能か」を確認します。今回は、他媒体では当たり前なのに楽天では制限されがちな施策を、いくつか整理します。
①:自由なHTML・JavaScriptは使えないことが多い
楽天の商品ページでは、記載する場所によって使えるHTMLタグが制限されています。普段のWeb制作でよく使うタグや、外部CSSを読み込むような書き方が制限される場面があり、JavaScriptで動的な仕掛けを入れることも基本的には想定されていません。
自社サイト感覚で「ここにこういうインタラクティブな仕掛けを」と設計しても、そのまま持ち込めないことが多い、ということです。
②:外部サイトへの導線は「原則禁止・要申請」
自社ECサイトやSNSへのリンク、外部の見積・予約フォームの設置などは、楽天では原則として禁止されています。掲載したい場合は「外部リンク申請」を行い、楽天の許可を得る必要があります。無許可で外部リンクを記載すると、違反点数制度の対象となり、表示制限などのペナルティにつながることがあります。
さらに、楽天市場外への送客や取引誘導——たとえば「メール・電話・FAXでも注文を受け付けます」といった案内——も規約で禁止されています。
「他媒体ではできる」前提で設計すると、できないどころか規約違反のリスクすらある、という点には注意が必要です。
補足
外部リンクは申請して許可されれば掲載できる場合もありますが、記載できる箇所やルールが細かく決まっています。仕様も規約も変わるため、実施前に必ずRMSの店舗運営Navi・最新ガイドラインで確認してください。
③:画像や表現にもルールがある
第1商品画像には、テキスト占有率・枠線・背景などについて楽天指定のルールがあります。「映える画像にしたい」と自由に作っても、ルールから外れると登録できないことがあります。また「効く・治る」系の表現や、根拠のない最上級・他社比較なども、景品表示法や薬機法の観点で避けるべき領域です。
つまり、施策の自由度は見た目以上に狭い。ここを知らずにアイデアを広げると、作ってから「載せられない」と気づくことになります。
だから「可否の確認」を一番最初に置く
施策の質を上げる前に、その施策がそもそも“土俵に乗るか”を確認します。私の手順はこうです。
1
物理的にできるか(仕様)
そのタグ・仕掛けは、楽天の商品ページで実際に使えるか。
2
規約的にOKか
外部リンク・送客・表現の規約に触れないか。必要なら申請が要るか。
3
ダメなら、許される範囲の代替に置き換える
「楽天でできる形」に翻訳する。ここで横断的に他媒体を知っていると、代替案を出しやすい。
ありがちな失敗
注意
- 自社サイトのノウハウ(自由なHTML/JS)をそのまま持ち込もうとする
- 外部リンクを、申請せずに商品ページへ貼る
- 外部フォームや「電話でも注文OK」など、送客・誘導につながる導線を置く
- 第1画像のルールを知らずに作り込み、登録ではじかれる
まとめ:楽天は「できることの中で勝つ」ゲーム
楽天は自由度が高い媒体ではありません。だからこそ、施策の良し悪しを考える前に「それは楽天の土俵に乗るのか」を確認することが、無駄打ちを減らす近道です。他媒体を横断して知っているほど、「これは楽天ではできない」「ならこう置き換える」という判断が速くなります。
補足:使っている道具について
私たちは、こうした「楽天では実はできない施策」を提案の段階で弾く考え方を、ツール(RakuLens)の設計にも組み込んでいます。できない施策に時間を使わないための、確認の手間を減らす道具として整えているところです。

